玉梓と伏姫 たまずさとふせひめ
里見家と金碗家に呪いをかけた怨霊と、八犬士の母たる里見の姫神。
当ぺえじ及び連作短編「八匹の犬より愛をこめて」においては玉梓も犬士達の母(のようなもの)である。
(小説「最後の希望の物語」「彼女のはじまりの物語」 イラスト&テキスト「きみはよその子 わたしの子供」 等参照)
つまり八犬伝の二大ヒロイン かつビッグババァマザー

○たまきのところの玉梓○
・姫神・伏姫と常に対になって語られる、いわゆる怨霊の存在。
・物語と犬士たち全体を見守り、時に冥助を授ける伏姫と対になる存在で災厄を齎す。といっても玉梓が直接何か手を下しているわけではない。
・あくまで「災い」の「象徴」的存在。なので船虫や網干が玉梓という解釈ではございませんのでこの点ご注意を。拙作プリパレではそうだったけど。
・むしろ「悪」に対し犬士達がどう立ち向かっていくのかが、玉梓最大の興味である。
・しかし、ある意味では、連作「八匹の犬より愛をこめて」の主人公とも言える。というのもここの八犬伝世界の発端は「最後の希望の物語」だから。
・またその物語で綴られているように、八房は限りなく玉梓に近い存在、ほぼ同一であり、彼女も伏姫と同じ八犬士の魂の母(あるいは祖母)である。・ちなみに最も彼女に近い存在は毛野であり、ついで道節、大角である。(「月が見ている 月を見ている」参照)
・(思えば八犬士達も他のキャラ達もおきあたまきの八犬伝解釈に基づいた半オリジナルなわけで、この玉梓も例外ではないということ)
・(そして物書きとしてのおきあたまきにとって最も興味深い存在がこの玉梓(と、彼女に一番近い毛野ちゃん、それと大角さん、というか雛衣も)だったから、必然的に彼女への思い入れは強くなる。馬琴さまにとっての信乃がそうだったように(高田衛「八犬伝の世界」参照)この点何卒ご容赦いただきたい)
・玉梓が直接打ってでるのは妙椿の時のみ。ここでは妙椿=玉梓と考えます。
・伏姫が自分の最強の駒である親兵衛を養育している間、妙椿になるべく力を蓄えているらしい。その力は犬士達が行く先々で引き起こす因果によって生み出されるもので、彼らが過酷な運命にあらがえばあらがう程その力は強くなる仕組みになっている。
・だが彼女は別にその力の為だけに犬士達を利用しているのではない。彼女は、表向きは彼らを苦しめる(もっと狭めて言うなら、里見と金碗を苦しめる)ことこそ至上と振る舞っていて、実際愉悦を感じてもいるが、その裏で、犬士達に諦めて欲しくない、と切に願ってもいる。
・それは何故か――何とぞ「最後の希望の物語」を参照していただきたい。
・ゆえに犬士達は時折誰とも知らぬ声、つまり玉梓の声をきくことがある。
・「お前達は、ここで、諦めてしまうのか」と。
・……なにやら真面目な設定が続いたけども、伏姫のボケに全力でつっこむツッコミ体質であり、おそらく、およそ信じられないことに、多くの八犬伝において「この世全ての悪」であるかのように描かれる怨霊たる彼女が、あくまでおきあたまき八犬伝世界で最もまともな存在である。そして彼女に近い犬士である毛野と道節がツッコミ体質なのはその為である。
・だいたい伏姫に振り回されている(もうこの時点で玉梓の負けは確定している)
・伏姫に対して「関東八州を巻き込む壮大な喧嘩なう」な玉梓であるが、本当は自分に唯一手を差し伸べた存在である伏姫に愛憎入り交じる複雑な気持ちを抱いている。なんだかんだで八房となって彼女のもとにいるのも、その複雑な心境ゆえであろう。
・といっても八房は始終玉梓というわけでなく、純粋な犬としての八房に戻ることもある。出たり入ったりしてるのだ。
・(ぶちゃけた話をすると最初は八房と玉梓を同一のものと扱おう、そういう風に描いてきたのだけど、それも何か違うな、玉梓は玉梓で、八房は八房がいいな、と思い、段々ナシになってきてる。あってないような設定というか……)
・一人称は「私」「わらわ」でもいいかと思ったけど普遍性を重視して。「〜じゃ」とか傾国の美姫っぽい言葉遣い。あるいはババア口調。

○たまきのところの伏姫○
・八犬伝全編に渡って彼らを陰ひなたに援護する姫神にして犬士達の魂の母。いわゆるビッグマザーである。
・里見に讐なす玉梓に対してでも手を差し伸べた。
・義実が反故にした言葉、「玉梓を許す」を真実にする為であるが……その真相は小説「彼女のはじまりの物語」で確認されたし。
・おしとやかそうに見えて結構バイオレンスかつデンジャラスな性格であり、玉梓の方がドン引きしたりすることも平気で言ってのける。
・またバイオレンスさ、というか戦闘力においては神の境地に至ってしまった故なのか、その弱そうな外見からは予想もつかない程のものを持つ。
・そもそもあの親兵衛を養育したのだから推して知るべしである。(→参考
・神の境地と書いたが、多分八房との一年に渡る富山生活でいろいろと常人を超えてしまったのだろうと思われる。もともと美しい黒髪だったが神格化し(通称アルティメット化)白銀に輝く髪となった。
・八犬士の魂の母だからなのか、それとも神というものは結構そういうものなのか、それこそ神のみぞ知るであるがかなりおばかで楽天的な思考の持ち主であり、あげく天然ボケの空気を読まないキャラクターとして玉梓を振り回す。伏姫属性に近い親兵衛・信乃がボケ気質だったり何かと空気を読まなかったりするのも全て伏姫がそういう気質だからこそである。
・しかし彼女ももとは普通の人間であり読経三昧の富山の暮らしでもいろいろ悩んでいた。犬の子を孕むなんて、と恥じたりしたし。
・伏姫がアルティメット伏姫もとい伏姫神になるまでも是非小説で書きたいところ(前述した「彼女の始まりの物語」がその予定)
・悩み、苦境を超えて彼女は里見を見守る神になり、玉梓にさえ手を伸ばす。
・神だからこその、あるいは少女だからこその根拠のない絶対の自信に満ち「絶対に諦めない」という大きな信念を抱く。
・それは子らである八犬士たちに、玉梓の属性を多く持つ毛野にさえも確かに受け継がれている。
・犬の嫁になり、犬士達の母となり、姫神、地母神になった。しかし、彼女が本当になりたいものは――それは連作の最後で語られるであろう。

○キャラデザについて○
これは2012年10月頃の絵なので現在(2013年1月)描いているのとはちょっと違ってきますが、大体こんな感じ

・まずは玉梓。実はもともと伏姫としてデザインしてたんですけど、途中からそのどことなく悪人な面構えに、
 これ玉梓っぽいナーって思ったんで玉梓になりました。
・髪型の、耳のようになっている部分は拙作「彼と彼女の一番長い日」のミツ・石田三成のものを流用。
・犬というよりは妙椿のことを考えて狸をイメージ。しっぽのような髪とか。なんてこったい髪型の流用もとの三成はキツネなのに。
・ベタが多くてめんどいことこの上ない人。描くのは好きだが。
・目は紅い。赤い。朱い。赫い。ふとまゆ。目つき悪いのは怨霊だから。額には黒い印。

・つぎに伏姫。どことなく犬っぽさを出したくて耳のようなおさげを。犬で言うならシーズーかマルチーズ。
・玉梓がおでこぱっくり開いた系姫カットなら伏姫は短めの前髪一直線でもおでこはちょっと開いた系カット。サイドの髪のふわふわボサボサワイルド感(なんぞ)はやはりこれも犬と言うか獣っぽさを出したくて。でも最近気付いたけど拙作プリパレの伏姫にあたる陽姫の髪型に通じるのだった。
・目は黄金瞳 (c)桜井光/スチームパンクシリーズ 神々しさを出したくて。
・ふとまゆで垂れまゆ。額には白い印。二人に共通する聖痕のようなもの。
・アルティメット伏姫もとい姫神になったことで羽衣っぽい何かが標準装備に。よく描き忘れる。
・役行者の数珠の大珠は犬士達のもとにあるのに何故あるん…? 「え? これはレプリカですよ〜^^?」 さいですか。
・おっぱいは大きい方です(いらん情報)
・伏姫なんか誰かを思い出すなと思ったんだけど、ロストユニバースのキャナル大人形態に似てるのかも。

最近(2013年1月)の全身図

・挿絵の玉梓の着物にフリルっぽい意匠が施されてたので、この二人の着物にはひらひらフリルつけてます。
・色は、玉梓は黒&赤系、伏姫は白&青、金系のイメージ。TBS八犬伝でも善玉悪玉こんな感じで分けられてたけど。

姫神化以前の伏姫は黒髪&普通の目。

そして忘れちゃいけない八房!

○たまきのところの八房○
・伏姫の愛犬。変な意味でなく純粋に伏姫が好き。
・玉梓の怨霊のついた狸(妙椿)に育てられた為、怨霊二世と言った感じ。伏姫の霊験あらたかな読経と愛によって浄化されている。
・玉梓の依り代にもなったこともあるが、基本的には伏姫の良きパートナー。
・大輔(ゝ大様)のことがストレートに嫌い。自分を殺したから。
・外見&中身モデルは一昨年なくなった家の飼い犬だったり。

玉梓はさんぺいゆうこさん、伏姫はおおはらさやかさんのような声がいいなあっておもってる。

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