2015.09.28
さるシルバーウィークこと9月21日と22日に、
念願の、八犬伝の聖地である千葉県館山市に旅行に行ってきました。
館山城(八犬伝博物館)は二日目に行きましたが、
一日目はどこに行ったかと言うと、伏姫が八房と共に籠った、とされる伏姫籠穴です。
山の中にあるので(といっても入口付近)ゆっくり体を休められる時間のある一日目にしたのだ。

今回はねたとかの趣旨にちょっと沿わないかも知れませんが、ちょっとしたレポをあげるのであります。
今後伏姫籠穴に行かれる方の参考になれば幸いです。

*

【道節】ということでてめーら! 館山旅行だ!
【信乃】何で仕切ってんの。
【道節】誕生日近かったからだよ。じゃなくても、仕切るのは当然だろうが、リーダーなんだし。
【信乃】えー。
【毛野】せめて重機運転できるようになってからじゃないととてもじゃないけどリーダーなんて…
【道節】どこの土木作業系農家アイドルだよ。
【大角】いいですか皆さん。今度の連休に、かくかくしかじかで伏姫籠穴に参ります。
【道節】だ、大角に進行役とられるだと。
【大角】足下をすくわれないといつから思っていましたか?
【現八】委員長役だからちょうどいいやい。
【毛野】いーからさーさっさと進めようぜー(爪いじりながら
【??】そうですわそうですわ!
【小文吾】うん? 聞きなれない声が…
【親兵衛】あー! 伏姫さまだー!
【伏姫】おほっほほ。ごきげんよう。
【信乃】ギャース!? なんでいんの!?
【荘助】俺達死んだんでしょうか!?
【??】誰が死なせるか誰が。
【毛野】ギャース!? あんた玉梓!?
【玉梓】悪いんかい私がおったら。
【伏姫】わたしが暮らしていたとされる籠穴に行くんですもの! 出てこないわけがないでしょうが~フフッヒ!
【玉梓】まあ私はおらんくてもよかったんじゃが。
【毛野】じゃが?
【親兵衛】いも?
【玉梓】このデブのツッコミがお前らにはおいつかんじゃろうと。
【毛野】デブ…
【玉梓】私は言霊系の怨霊じゃし基本口悪いんじゃわ。
【道節】わりと適当だな。
【大角】はいはい、ページ埋めるだけのキャラ喋らせる茶番はこの辺りにして行きますよ皆さん。
【親兵衛】こういうの痛いとか寒いとか言うんでしょ! ボクしってる!

一応ねたとかなんで喋らせました。でまあ実際持ってったわけです。

しかも入ってるのはaikoのライブグッズのポーチで犬が描いてあるから完璧だね。

*

伏姫籠穴のある富山の最寄駅は岩井駅です。館山から一時間に一本しかないので、逃すと大変です。
そんなこと書くっつうことは逃したんですね。はい。アクシデントなんだけどね。宿に預けた荷物の中にデジカメ忘れたのですよ…
なんで予定よりも一時間遅い出発になってしまいました。結果的には良かったのかも知れないけど。

ただアクシデントは予期せぬものを連れてくるもので、岩井駅を出ようとした私に飛び込んでくる貼り紙。
「富山中~伏姫籠穴からの富山登山道は地崩れのため通行止めです」(復旧は未定)
え……つまりなんだこれ。伏姫籠穴行けないってこと…!?
さすがにそれは……この旅の目的の二分の一が失われるのですがそれは……。。。

不安になりながら案内所に入って訊いてみたところ、
籠穴-×-富山 というわけであって、籠穴自体には全然行ける! よかった!
本当は籠穴からの登山道を登って「八犬士終焉の地」と言う立札がたってるところに行きたかったのですが、
それは前日に決めたことかつ、行けそうだったら行く、というゆるゆるな予定だったので、潔くポシャりました。
だいいち登山しに来たわけではないしねー。

「(籠穴まで)歩きで行かれるんですか?」
「そのつもりですけど……」
「自転車だったらそんなにかからないけど」
「! 自転車あるんですか!?」
「一時間100円で貸してますよ」
「借りますっ!」

ということで現地までチャリで行くことになりました。
この……この自転車が偉大だったんだ…!! いやね、別に何がすごいってわけじゃないけど、
歩きだったら多分めちゃくちゃ時間と労力かかる距離をスイスイ行けちゃうんですよーー!さいっこーーー!!!
心配していた天気は神様が気を利かせてくれたかのような百点満点の晴れ、少し暑いくらいで、風も気持ち良くてもう本当最高でした。
道は車が少し通ってるくらいで、とても長閑でした。田舎道です。彼岸花があちこちに沢山咲いていてとても綺麗でした。

あと、岩井駅周辺にはコンビニなどがありません。もうちょっと探せば見つけられたかも知れないんですが、
私が見た感じ無かったので、お水やお弁当なんかは館山駅周辺で事前に購入してから出掛けた方がいいかなーと思います。
詳しくはぐーぐるまっぷなどで調べてみてください。あるかもしんないですし(適当
それから服装ですが、めっちゃ軽装でした。山登りじゃなくて普通に街いくんだろアンタ的な。
ブラウスにカーディガンにハーフパンツ(いやハーフよりもっと丈短い)にニーソにスニーカー。
あと日焼け防止に腕カバーしてたくらい。そんなレベルでも行けるとこです。

ルートを簡単に書くと、岩井駅を伏姫公園側から出て踏切を渡って、そのままその道をまっすぐ行きます。
まっすぐです。おおよそ十分かそれくらい。徒歩だとその倍くらいかな。
途中高速の下を抜けてもうちょっとまっすぐ行けば、こんな看板が見えてきます。

ブログのりあたい記事にも載せたやつ。デジカメでも撮りたかったんですが、天気良過ぎて逆光になり過ぎたのでやめた。
この看板に従って再びチャリをこぎこぎ。

富山中のちょっと手前に工事現場があって、そこにこんな看板が↓

富山遊歩道→
伏姫籠穴→

看板ってか貼り紙レベルだったんですけど。まあ、そんな感じにあったのね。
「……本当にこっちで大丈夫なんかな」
と思いつつチャリでそのまま行くことに。

どんどん山深くなっていくけど、途中人とすれ違ったので「……多分合ってるんだよね」と思いつつ進む。
しかしそろそろチャリで進んでいくところではなさそう……と思い、適当なところに停めて、リュックをしょっていざ歩きます。

歩きはするものの、どんどん山深くなっていく。
三年前、金沢の卯辰山にピクニックしに行ったことがあるけど、その山中の道を思い出していた。
……いや、その山中よりも、なんつーか「異界」めいていて、
流れる川、生い茂る林や草木、大きな蜘蛛の巣、鬱蒼と茂る緑ゆえに昼間でもほの暗い道、
そういうの全部、鏡花の高野聖をはじめとする山界異境ものを思わせて、
「も……もしかして全然違うところ進んでんじゃねー!? どどど、どうしよ~遭難とかしたら(´; ;`)!!」
と不安になりはしたものの、そ、それでも進むしかねーわい! ってもうちょっと行ったらー!

見えてきましたーーーヤッターーーヽ(;▽;)ノ

クリックすると大きくなります。デジカメの画像そのままではなくて縮小したやつですが。
いやあよかったよかった。着いた時はほんとにホッとしました。

この左斜め下にはこういう説明書きのプレートがあります。登ったところにも同じのがあります。

入り口には二台分ほど駐車できるスペースがあって、お手洗いもあります。
登山道の方は「通行止め」の看板がありました。いつ頃復旧するんだろうなあ。

入口からながーい階段を上って行きます。ラブライク階段スタートです。

まあ言う程距離ありませんけど。
えっちらおっちら進んでいくと、八角形の舞台、そして伏姫籠穴そのものが見えます!


なんてアオリだと階段からの写真になりそうなのにね。階段からの舞台写真とっておけばよかった。これもクリックすると大きくなります。
左下にちょっと見えるのは多分「悌」だと思います。入り口から右に、全体的に言うと反時計回りに、
柱に仁義八行が振ってあります。疲れたのと、他に見物してるひとがいたので、ちょっとこの舞台で休憩アンド昼食を食べてました。
舞台には義と礼の間辺りにベンチが二つほどあります。広さ的にはどれくらいかな…?
舞台、って言うんだから、ここで八犬伝の舞台とかあったらいいのになあ、なんて思いました。狭いけど。

私が来た時は家族連れが二組いらっしゃって(いずれも息子さんで女の子はいなかったなあ)
八犬伝て八つの玉集めるの? ドラゴンボールみたいな? てな話が聞こえてきました。
微笑ましい。まさかガチ勢が一人ここにいるとは思うまいよ(怖い

籠穴から出られたところを見計らって私もいよいよ内部に侵入です。

これ、籠穴のすぐそばにある説明書き。色あせてて画像じゃわかりませんね。これもデジカメで撮ればよかった。
伏姫の一人称で、ここに来た経緯、懐胎と自害、そして八犬士のことなどが書いてあります。
神童に懐胎を告げられた下りをちゃんと書いているところに感動しました。
一体誰が書いたんだろう。たぶん、ちゃんとした作家さんによるものだと思うけど。
ちょっと悲しげなモノローグという感じでしたが、伏姫物語の簡潔なあらすじになっていて、
活字にして紙媒体で欲しいくらいでした。全文収録したパンフレットとかあればいいのに。
そういえば、大角さんの字の礼儀、まさのりじゃなくて「まさなり」だったな。

籠穴入口、の手前の門。

改めて見ると明るいな……そんだけいい天気だったんですよう。
ここ、私が調べた情報だと閉まってるってことだったんですけど、開いててよかったです。
閉まってた時期がかつてあって、今はオープンなのか、それとも今も閉まってる時期があるのか、
それはよくわかんない。なので、行かれる方は閉まってる可能性も考慮しといてください。
なおここを通っての道はちょ~せまい!です。一人しか通れませんし、危なっかしい感じでもあるので気をつけて。

【伏姫】なつかしの籠穴ですわ!
【玉梓】いやフィクションだから。

【玉梓】入口の看板のところから思っとったが。
【伏姫】むー。なんですのっ。
【玉梓】あふれ出るB級スポット感……
【伏姫】ムキー! なんだってあなたがそんなこと言う資格あるんですのー!
【玉梓】いやだってこんなん石川の羽咋にあるモーゼの墓とどっこいどっこいじゃて。
【伏姫】モーゼよりは信憑性ありますっヽ(`Д´#)ノ ムキー!!

まあね。確かにモーゼよりはまだ信じられるよ…
内部もいろいろ撮ってきたです。なんでかしらんが、お供えなのか、それとも単にゴミが捨てられているのか。

ペットボトルだの缶だのが並んでる。なんでや。

奥に仁義八行の珠(でかい)が置いてありますが、その手前にあるオーブみたいなのの下に銭がごろごろ。

一円とか五円とか十円とかの酸化したり風化したりした小銭がごろごろ。お賽銭かよ。

八珠がごろごろしているのを撮ってきました。オーブの位置から。

クリックすると大きくなります。

体をかがめて、もっと近付く。籠穴の入り口付近は狭くて小さいけど、この八珠のある中はそんなに狭くなかったです。
ちゃんと立てましたし。1.8mくらいかな、と思ってたら案の定案内板に1.8mと書いてありました。

クリックすると拡大なり。これはフラッシュを焚かずにパシャリしたもの。つまりそこそこ暗い。
こっちはフラッシュ焚いてパシャリしたもの。

編集してて、まじまじ見て思ったこと。

【毛野】忠の字だけ剥げている……
【大角】そのこころは?
【毛野】道節お前ハゲるんじゃね?
【道節】ハァー!?!?!
【毛野】髪質悪いし。
【信乃】ああ挿絵で月代ひとりだけ剃ってないのもそういう…
【道節】違うからー! 違うからなー!!

でもなんで忠だけハゲてんだろ……謎い

【伏姫】せっかく来たんですからわたしイン籠穴もデジカメで撮りましょう!
とこころの伏姫が命じたのですが。


伏姫が白すぎて向こうが見えんのよ。


ほとんど平面にしてやっとっていう。ドットい。

【伏姫】……( ^ω^)

携帯だと上手くいった。最初からこっちで撮ればよかったよ。


玉さんとも記念撮影した。仲良くけんかしな。

【玉梓】うげ~~(心底嫌そうな顔

舞台を籠穴入口から見るとこんな感じです。

クリックで拡大ー。木が生い茂って上手く八角形だとわかりませんが、なんとなく厳かな感じもしますね。しませんか?


しんべと一緒に撮ってみるなど。

もっかい舞台に戻る。枇杷の木があるあたり南総だなーって思いましたよ。枇杷が名産なんだってね。

誰もいないので遊び放題。仁義八行順に撮ってみましたぞい。
  

  

 
悌の柱は、ちょうど日光が当たり木陰もあるところで、小文吾だけ残念な写りになっちゃってすいません。

さてこの伏姫籠穴、誰が作ったかは不明らしい。舞台は富山の人が作ったんだろうけど。
……うっそだ~~、市の人か誰かが作ったんでしょ? こういうの作っておこうぜって。
案内板には北村透谷の文言引用があったり、昭和前期の映画作品のことなどにも触れてました。私が見たことある昭和29年版のこととか。
たしか人形劇って記述もあったような気がするんだけど……なかったとしても、新八犬伝の頃に出来たんじゃない?
それか角川八犬伝の前後かなあ。あーあの頃バブルだったし、こういうの作るお金ありそうじゃん。
とにかく綺麗に整ってる&あまり古くない以上「いつ作られたか定かではない」的なことはないと思うのよね。
多分神秘的な感じを出すためのフレーバーテキストなんだと思います。たぶんね。

たっぷり写真も撮ったし、遊んだので、ちょっと名残惜しかったけど帰りました。
ツイッターによると12時17分に着いたツイートしてて、13時14分に帰りますツイートしてる。一時間はいたってことだね。
なので一時間あれば満足して遊ぶことができます。遊ぶって、私は写真撮ったりマスコットと戯れてただけだけどw

この後自転車を回収して、道の駅に寄ってまったりしつつのんびりちゃりんここいで帰りました。
「あ、そういえば岩井駅にある伏姫と八房の像ってどこ?」
とちょっと探し回ってた所為で、実はちょっと焦ったw また電車乗り逃がすことになるのかーって!


またしてもクリックで拡大。岩井駅内の伏姫公園というところにありました。踏切ある方にあります。
たぶんこれのことだと思うんだけど。でも私が見たのはこんなんじゃないような気もしてきたけど。
まあいいさ! では帰ります。


岩井駅ホームからこういう看板も見えます。クリックで拡大。傍にさいてる赤い花は多分カンナかな。
斑を八つ付ければ八房に似てるかもしれないうちの犬の名前の由来。

*

ということで画像が多くなってしまって申し訳ございませんが、伏姫籠穴いってきたよ!の巻でした。
今度は八犬士終焉の地に行きたい……のでウソッぽくても登山な装備で行こうかなと思ってます。
その前に籠穴側からの登山道が復旧しないとなあ。案内所に電話して訊くとかして大丈夫かな。

このきろくがこれから伏姫籠穴行こうと思ってる方の参考に少しでもなれば幸いです。

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