○八犬伝関連おきあたまき作品紹介 またの名をてまえみそでごめんなさいのコーナー○

関連作品紹介「八犬伝をおいかけて」の派生ぺえじな感じで拙作を紹介するぺえじです。
自分の小説を自分で紹介することや、語ることほど、見てて痛いものはない!!
と思っているのですが、まあせっかくちょっと八犬伝ネタあるんだし。ということでやってみます。
書いたころがけっこう昔なので、さくっと終わります。

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プリンセスパレス 執筆期:2006年2月〜2007年5月 連載期:2008年1月〜2012年5月
長編・原稿用紙250枚以上(全七章/序章・各プロローグ含め全47話)

曲亭馬琴『南総里見八犬伝』と、黄道十二宮をモチーフにした長編ファンタジー。
里見家の太陽の姫が放った十二の珠。呪われた運命に翻弄されながらも集まった珠と痣を持つ八人の男達は、
陽姫を復活させ怨霊・玉梓の呪いに打ち勝つ為、残りの四人を探す旅に出た。
そして遥か彼方南の島で、赤色の少女と少年が出逢った時、大きな運命の輪はようやく廻り始める――
序章・上下章含め、全七章構成。
(小説ページ目次のあらすじより)


八犬伝と十二星座、それと五行も軽くミックスしたそこはかとなく和洋折衷な異世界ファンタジー。
「わたしと八犬伝」でも語られている通り、八犬伝を知ったことで何か八犬伝をモチーフに話を書きたい
(=自分のものにしたいと言う欲求)欲が起こり、タイトルだけがあって決定的な要素に欠けていたこの作品を生み出すことに繋がった。
ちなみに八犬伝をちゃんと読む以前に「アザのついた人物を探し出す」というモチーフは既にあったので、
八犬伝が築いたファンタジーの基礎をどれだけ無意識のうちに私達が活用し、そして浸透しているかと言うことが伺える。


“姫”である四人以外の男子八人は全員犬士達をモデルにしている。特に信乃は名前まで同じ。荘助にあたる人物は双子座なので「双」助。
生い立ちや経歴などほとんど八犬伝と同じであるが一部違ったものにも当然している。浜路の名前が違っていたり。
例えば大角に当たるオーレが一番年長であったり、雛衣が健在であったり。簡単に言うと八犬伝の「if」をやっている作品である。
もし雛衣が生きていたら、もし浜路と信乃と荘助の中に道節もまじっていたら……
と思って書いてみたけど、そんなにない感じだった。


限りなく八犬伝そのものだが、厳密に言えば八犬伝ではない。あくまでプリンセスパレスというおきあたまきのオリジナル作品である。
本当は最初は、八犬伝をちゃんとやっていこう、管領戦とかやろう、としていたのだけど「そうすると、“私の作品”としてのアイデンティティはどうなってしまうのだろう?」と疑問に感じ、次第に自分の創作、自分の書きたいものに正直になって話を作っていった。
主人公はスピカ・カーレン・そしてオーレの赤の章の三人組。
八犬伝のエピソードをもとにしたり、関連するような大筋のストーリーを縦糸、スピカとカーレンの話(恋愛)を横糸に展開していく。
書き終わって大分経ってから気付いたことだけど、自分的には八犬伝ものをやりたいと言う気持ちとは別に、
ボーイミーツガール作品をやりたいとも思っていた。それがスピカとカーレンに現れた感じだろうか。


主な舞台は日本に似た和秦と言う異世界の島国。八犬伝との符合を挙げてみる。
・残念ながら八房に当たるキャラクターはいない。
 もしかするとTBS版八犬伝に影響されたのかもしれない。執筆開始期と放送時期が近いので。
 でも、ゝ大に当たるシリウスは「おおいぬ座」の一等星から。この点だけ「犬」である。
・従って、伏姫に当たる陽姫は日食の太陽と交わって十二人の魂を誕生させる、と言う構図を取っている。
・でも実は、かの有名なNHK人形劇「新八犬伝」の伏姫切腹のシーンでも日食が起こる。偶然です。
・最初に登場するカーレンが蟹座なのは、第四回で金碗孝吉の漆の傷を治したのが蟹だったから。全くの偶然。
・蟹座のカーレンが智の人・スピカと縁深くなるのは、毛野と縁ある女性が「蟹」目前だから。すいません偶然です。
・オーレは王礼から欧名(カタカナ名)に改名したのだが、大角の大を取り、礼の人で大礼→おおれい→オーレともなる。偶然です。
・オーレは獅子座に当たるが、獅子座の獅子は神話においてネメアの森の化けライオン。庚申山の化け猫に相応。これも偶然です。
・船虫に相応する人物と戦う際、牡「牛」座のニコがいる。ただし八犬伝では第九輯親兵衛再登場の前に船虫の誅殺がある。
 ……改めて挙げて見ると、偶然が多すぎるのであった。他にも私が気付かないだけで符合点が多いかもしれない。


構想自体は2004年の秋からスタート。2005年は受験勉強の傍ら殆どこの話の構想を練って過ごしていたようなもの。
一応このたまくしげで一番古い作品にして一応看板作品のつもりでもある。
が、何せ一番古いので、正直最初の方書きなおしたくてたまらない。
文章が下手だ! 下手っぴだ! 見てられない! ウガーッ!!
……とは言え、今どのように書いていいのかわからないので、そのままにしている。
終盤の方は最近の自分の加筆修正が多く入っているので、文章の違いなどが結構はっきり見えるかもしれない。


どうしても毛野に当たる人物を女の子にしたく、一時企画倒れ寸前まで行ったのだが、
古代の春分点・夏至点・秋分点・冬至点がある星座を女性とし、その間の星座に仁義八行を当てはめていくと
ちょうど「智」は乙女座に当たったので、乙女座なのに男性と言うのはとても毛野らしい、ということで
ようやく企画を動かすことが出来た。と言うどうでもいい裏話などを書いてみる。

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クドリャフカのゆくえ 執筆期:2009年7月 習作・掌編(4463文字)

“あっち側に行ったら、戻ってこれなくなる”
恋を捨てた少女・久方こころと恋をするために生まれてきたと言う「狂人」八房ぼたん。
宇宙に取り残された犬のことから、こころは恋に、ぼたんに何を想うのか。
(小説ページ目次のあらすじより)


八犬伝もの現代作品作品としていつか書こうと思っている『八人の優しい狂人』の習作掌編。
しかし執筆から4年、構想から5年近くが経過しているので、人物の名前を始めとして、
現在自分の考えている同作品からは随分遠いものとなっている。
この習作掌編はほぼ別作として考えるべきかも。
当時の更新履歴を参照すると八犬伝知己の帝江くんの八犬伝熱に感化されて、
八犬伝を何かもっと創作に使いたい、とこの作品を習作として書いた模様。


舞台は現代。挙げられる八犬伝ネタとしては、
・登場人物に八房ぼたんなる人物がいること。犬っぽい。属性わんこ。
・他に八意(やごころ)八雲、八代など「八」のつく人物がいること。
・「仙人」になる実験のモルモットとして彼を含めた八人がいたこと。
・国を平和にした彼ら八人の祖先は「仙人」と化したらしいこと。
今考えてる八狂も、八犬士が後に仙人になったエピソードをモチーフにしてます。


クドリャフカはソ連の宇宙開発の一環で犠牲となったライカ犬のこと。有名ですね。
作中に出てくるスプートニクと言うタイトルのついた恋愛小説は好きな作家・村上春樹の「スプートニクの恋人」
執筆した時は既に読んでたのですが特にこの作品とは関係なしです。
まだ春樹本格的に好きになる前に読んだやつだから印象薄いので読み直したいけど。
また人物やエピソードのモデルとして夏目漱石「こころ」が用いられてます。ワガマホとは別ラインの漱石モチーフ。
今は完全に「こころ」の面影はナイです。


習作だもんでろくに調べずに書きまして ←よい子は真似しちゃいけんよ
ライカ犬を乗せたスプートニクは打ち上げから十日後くらいに大気圏再突入して消滅…らしい。
どちらにしろライカ犬は死んだのだが、今も死体を乗せてスプートニクが宇宙のどこかを漂っている、と言うのは間違い。
いやあ…本当ちゃんと調べて書けよ、わたし。……書きたい欲が先行しちゃうとこうなってしまうのですね。
むしろ火星探査機「のぞみ」の方に近いんじゃないかコリャ。

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