○八犬伝をおいかけて − 八犬伝関連作品紹介ぺえじ○

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【二次作品・ドラマ】
八犬伝のストーリーや設定、人物名など、またはそれに近いものを用いている、オリジナル要素の強いものでドラマ作品。


三谷幸喜・脚本「合い言葉は勇気」(フジテレビ系列・2000年)
・名物は桃とダルマだけの自然豊かな村・富増。そこに「フナムシ開発」が産業廃棄物処理場の建設を決定し、村民たちは動揺。村役場に勤める主人公・大山忠志は中止を求める裁判を起こす為に弁護士を探すが、相手が老獪な網干弁護士と知ると誰も引き受けてくれない。そんな中、忠志が目にしたのは、テレビドラマで弁護士役を演じる売れない俳優、暁仁太郎の姿だった―― 村民を説得し裁判をやめさせるはずが、「裁判には必ず勝てる!」と何故か村民を勇気づけてしまう仁太郎。彼と忠志、村長の娘・信乃を始めとする富増村の面々と、手段を選ばない悪辣なフナムシ開発、そして網干との法廷内外での戦いが始まった!
・三谷作品の中ではマイナーなドラマのようで視聴率も振るわなかったようですが、実は三谷作品の中でも結構評判が良く、根強いファンがいるようで2010年についにDVD-BOX化。最近の商品なのでネットレンタルでもわりあい手に入りやすい。私はネットレンタルで見ました。
・仁太郎、忠志、悌一郎、義助、礼など登場人物の名前に仁義八行。「信」なんかはそのまま信乃の名前を用いたりしてます。他にも村民の名前とか(林八郎と山根房吉(=山林房八)音弥、カラオケスナックの名前が「村雨」)敵方は安西、網干、蟇田など八犬伝に材をとっている。フナムシはリアルフナムシである。面白いのは中盤から登場する裁判長の玉塚。玉とあるからたぶん玉梓だと思うのだが、裁判長なだけあって公正なキャラなので悪じゃないフツーのキャラな玉梓ポジって新鮮だなあとすごく面白く見てました。それも裁判長って役柄で。詳しくは感想へ。
・無理を道理で曲げていく展開ではあるののの、八犬伝と共通するテーマであろう「正義は勝つ!」と「弱い者が力を合わせて困難を乗り越えて勝利を得る」と言う構図が非常に八犬伝的。見て損はないオススメドラマ。八犬伝要素を除いたとしてもそこはやはり三谷脚本なので面白い喜劇です。ちなみに三谷さんは人形劇「新八犬伝」に親しんでいたよう。そういえば「三銃士」リメイクもされてたっけ。新八犬伝リメイクしてくれないかな><
・毛野ちゃんの、他の作品では軽視されがちな「軍師」的な側面が際立っているのが本作のポイント。演じているのは「THE八犬伝」で道節を演じた山寺さん。だから見た目からしてものすごい山寺さんだけどもw 軍師な毛野ちゃんを堪能したい人にもお薦めな作品。仁太郎を演じる役所さんの発する「毛野ちゃん」だけでも聴く価値ありますw! あと個人的には理想の大角像の一人である八嶋さんが礼の人を演じて下すって嬉しかったです(*´∀`)
・どうでもいいことだけど、富増村の住人は里見の人ってよりも大塚村の住人って感じだったなあ〜
参考リンク:この裁判、必ず皆さんが勝利します! 【合い言葉は勇気・八犬伝いろいろ】(拙ブログ「たまきはる」記事)

神山由美子・脚本「深く潜れ 〜八犬伝2001〜」(NHK・2000年)
・普通の高校生だった主人公・井上香美は周囲から孤立する独特なクラスメイト・阿保朋子に「前世では恋人同士だったんだよ」と言われ、更に二人は同じ夢を見てしまう。以降阿保と急速に接近し惹かれあい、共に過ごし暮らすようにもなった香美だが、夢を見たのは一度だけ――自分は本当は、何の関係もないのではないか。不安を感じた香美はカウンセラー・小田一のカウンセリングを受け、前世を確認する為に阿保と共に無人島ツアーへと向かう。そこに集まった香美達七人に対し、小田は「あなた達は非常に強い絆と使命で結ばれたソウルメイトなのです」と告げ――過酷な現代に目を背け、前世に憧れ、安らぎを求める若者たちの葛藤と衝突を描いた異色作。
・「合い言葉は勇気」と違い最近のDVDではないしレンタルにもほとんど置いてないので入手困難。VHSとDVDの転換期の頃ってレアもの多いよね……
・サブタイトルに八犬伝とあるが、正直八犬伝らしい要素に決定的なものがいろいろ欠けるので無理して見る程でもない。でも調べた限りだと一部の人にはものすごく人気、というか忘れ難いドラマらしい。何故タイトルに八犬伝を入れたのか。タイトルホイホイする気か(された人) 悪い王様を倒す為に八人の戦士が集まったこと、八人は共通した石のペンダント? を持っていたこと、八人目は遅れてやってきたこと、終盤でわかるキーパーソンの名前が「南雲」と「南」が付いている、そのくらいかな。
・好きな人には悪いが全体的にそこまで好みの話では無く見返す気にならない。第一話の香美と阿保の百合だけは評価するが。「前世」を信じて(依存して)生きる人を応援するように見えて皮肉っているようにも見える。と言うかそちらの方が何となく色濃いような。小田だってそれを利用して詐欺していたわけだし。ああ、小田の目的が結局何だったかもよくわからない辺りももやもやする(死んでたのに生き返ったのもよくわからん)
・誰が裏切り者なのか、その裏切り者の役目を押し付けたり自分だと言ったり疑心暗鬼になったりするところは「るいは智を呼ぶ」を思い出させた。
・この作品のポイントは何と言ってもロケ地である軍艦島こと長崎県の端島。途中から軍艦島に萌えるドラマになります。マジ廃墟萌え。やばいわ端島……軍艦島を堪能するって目的だったら見て損は無いかも。あとテリー伊藤さんの怪演がすさまじい。
参考リンク:ドラマDモード「深く潜れ 〜八犬伝2001〜」 NHKオンライン
だって私達が生きているのは現世なのだから(拙ブログ「たまきはる」記事)


八犬伝ぺえじトビラにモドル

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