○八犬伝をおいかけて - 八犬伝関連作品紹介ぺえじ○

○かてごり○
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【二次作品・マンガ】
八犬伝を漫画化したもので、作家のオリジナル要素が多分に加わっており、八犬伝と冠されていても二次作品とみなされるもの。
また、八犬伝の要素を用いたオリジナルストーリーの漫画作品もこちらに分類する。


よしむらなつき「里見☆八犬伝REBOOT」(一巻(以下続刊)・竹書房・2015年~)
・かつて聖女・伏姫が封印した妖鬼王・玉梓が復活し、妖怪軍が人間を襲う事件が頻発していた。女性でありながら男として育てられた犬塚信乃は父から破邪の剣・村雨を託され、救国の勇者を名乗る男・犬川荘助と共に、船虫、亀篠を始めとする妖怪軍との戦いに巻き込まれていく。90年代、多くの読者を八犬伝に誘った里見☆八犬伝が時を越えて復活! 運命に集いし犬士達が繰り広げるギャグありシリアスありの冒険活劇。
・WEBコミック「近代漫画」にて2015年4月からまさかのリメイク連載スタート。対応ブラウザでないと読めなかったり、スマートフォンだとau限定だったりするので、コミックス化が待ち遠しかった。登録してなくても冒頭数ページは読める模様です。
・コメディだった旧作とは打って変わってのシリアス重視展開(なんでもギャグの九割近くが削られたんだそうな)で和風ファンタジーの色をつけながらもそれなりに本格的な八犬伝を描こうとしていて非常に楽しみ。よしむら先生自身も「やる気だけはあるので八人揃えて玉梓倒したい」とおっしゃってるし。旧作のところでも書いたけど原典ネタを何気に上手くアレンジしてるのでやっぱり面白いです。一巻の時点でも親兵衛除く二巻以降で登場するであろう犬士達が少し登場しているのも旧作からのファンへのサービスのようで嬉しかった。
参考リンク:近代漫画(連載中・無料サンプルありですが基本有料です)


魔木子「妖八犬伝」(全3巻・ぶんか社・2013~2014年)
・里見家の家臣・犬塚番作の娘・犬塚信乃は怨霊・玉梓の呪いによって、男と交わり精気を吸わなければ生きられない体だった。同じように村長の下人・犬川荘介も不死の体の呪いを受けていたことを知る。それぞれ孝の珠と義の珠、共に牡丹の痣を持つ二人は真実を知るべく、八つの珠を探している僧を訪ねに古河へ向かうのだが――玉梓の呪いをそれぞれ身に受け、妖の力を持った八人が織り成す物語。果たして信乃は玉梓の呪いに打ち勝つことが出来るのか。エロスとグロテスクが入り乱れる、淫ら過ぎる新たな里見八犬伝。
・性描写の多い、いわゆる“レディコミ”である「月刊 まんがグリム童話」2014年1月号から2015年1月号までおよそ一年間連載。要所要所を原典に準拠しつつもオリジナル要素、アレンジが多々加えられ、作者自身の八犬伝に対しての見解や想いが読めるすぐれた翻案作品。エッチな描写はちょっと苦手かも、と言う人にも八犬伝が好きならアレンジに感心したり唸ったりと楽しめる作品なのでぜひぜひ読んでもらいたい。おすすめ。なお作者の魔木子さんは人形劇の新八犬伝の世代だそう。玉梓の描写に力が入っているのもその為かな。なにより玉梓と伏姫の和解で終幕を迎えるというところ、マジで神作認定したいくらい好き(判定さすがにガバガバ過ぎるんですがそれは 伏姫がちゃんと自分を「八房の妻」って言って絶命するのもめっちゃイイ。犬士らが「伏姫の子であり玉梓の子である」って認めてるのもめっちゃくちゃイイ。
・とはいえ、各号の最後に「原典のあらすじ」として八犬伝のあらすじが入るのですが(文庫にも巻末に掲載)まあ大体原典に準拠しているとはいえその馬琴の八犬伝完全マンガ化みたいな感じに読めなくも無くて全然違うよw! って読むたび思ってたw まあ賢明な読者さんなら間違えまい…
・信乃が女で、っていうのは二次作品にはよくある(つーか下手したらほとんど)のだけど、男と交わって精気を吸う云々というのはさすがに初めて。犬士たちはそれぞれ玉梓の妖の部分を呪いとして受け継いでいるので(これもすごくいい設定だ)信乃の意志で男と寝ているわけでは必ずしもないのですが。
・八犬士それぞれ私の犬士観と近い感じのキャラづけなのでその点もすごく嬉しい。設定などはちょこちょこ変えてあったり(道節と音音とか)過去の八犬伝作品などから参照していると思われるものも。大角が成氏の家臣として古河城にいるって設定は多分TBS八犬伝から採用したのかな。ちゃんと現八とも繋がってる辺り嬉しい。
・ラスト、信乃と結ばれるのがまさか……とは。ネタバレゆえ書きませんが。意外だったけどなかなか納得のいく結末でした。気になる方は文庫三巻ですぐ読めちゃいますので読みましょう。


原作:綾峰欄人 作画:栗元健太郎/咲 「特区八犬士 [Code:T-8](全5巻・講談社・2013~2015年)
・八犬士の一人・犬塚信乃と同じ名前を持ちながらもごくごく普通の二次元妹萌えなスケベな高校生・犬塚信乃。しかしある日突然、正体不明の謎の化け物・死穢(しえ)と、現代に生きる「孝の犬士」として戦うことになってしまった。怨霊に満ちた街を信乃は救えるのか? 残りの八犬士は本当に存在するのか、そして集うことは出来るのか。俺は犬士なんかじゃない――「偽物」でありながらも困難に奮闘する信乃の命がけの日々が始まる。
・講談社の漫画アプリ「マンガボックス」にて連載。iOSとAndroidでのみ読める電子書籍コミックだったので私はコミックスで読みました。パソコンからでも一話が無料で読めます。
・馬琴の八犬伝が存在したうえで実際に八犬士(モデルの八賢臣ではなく、今の私達が考えるようなチート能力を持つ八人)も存在し、怨霊と戦ってきたとするものは個人的には珍しいと感じるかな。たまたま犬士と同じ名前名だけで間違われて、迷惑に思いながらも戦いに身を投じ、やがて本物の犬士となっていくという、私の好きな物語設計でございます。拙作の「八犬士にはさせないで」もこのタイプに近い。
・美少年で繊細な感じで書かれることの多い信乃だけど特区の信乃はものすごくスケベでオタクw でもやる時はやる! と言う強い信念と強運を持っていて格好よく、信乃なのにかなり好感が持てるタイプの信乃でした。他のキャラもよい! 特にゝ大こと大輔がすごくよい! ダラけきったおっさんで生臭坊主なところ、こういう大輔に弱い。あと政木もー! 政木狐、作中では主に妖狐と呼ばれてますが。実際の八犬伝ではゝ大と政木狐なんてノータッチ過ぎるけどね……あと荘助もすごく好きなタイプです。浜路も可愛い。登場が三巻からですけどね。最後にちゃんとフラグ立たせてたのが良かったです。
・ただ打ち切りっぽい終わり方なのが非常に残念である……毛野ちゃんと道節だけは出たけど他の犬士は揃わず…毛野ちゃんが可愛くて道節がワイルドなのが救いでしたけど。あと最後に出てきた少年怨霊が八犬伝の悪キャラだと誰に当たるのか全くわからない件…いないのかもだけど。あとそれからなんで荘助が犬川じゃなくて犬飼だったんだろう。漫画の中ではあとでちゃんと犬川って苗字だったって判明するけど……単に誤植?


よしむらなつき「里見☆八犬伝」(コミックス全6巻・エニックス・1998~2002年)
・妖鬼王・玉梓率いる妖怪軍によって安房の国は支配されようとしていた。同じく玉梓軍に生まれた城を追われた、女でありながら男として育てられた犬塚信乃は破邪の剣・村雨を携え仲間達を探し旅に出る――のだけど、どいつもこいつも、一癖もふた癖もある変人ばかり! 果たして犬士達は安房を救えるのか?? ドタバタ和風珍道中コメディ。
・私のファースト八犬伝です! 何気に結構うまく原典ネタをアレンジしていて面白い。キャラも皆可愛くてアホです。私の八犬士が全員アホなのは多分この作品がファースト八犬伝だったからじゃないかなと思います。現在ネットで無料で読めますので、未読の方はぜひ!
・おいろけが多いのは少年漫画だからかなあ。信乃が女のか男なのか最初は戸惑った。いや疑いようもなく女なんだけど、皆男って言うからw 毛野ちゃんが男と言うことに当時の私はそらもう衝撃を受けに受けて……このことはわたしと八犬伝ならびに八犬士所感をご参照くださいまし。
・2015年秋現在、「里見☆八犬伝REBOOT」として完全リメイクかつ新作としてWeb連載中。コミックスも発売されます、やったー^^!
参考リンク:Jコミ|里見☆八犬伝(無料で全巻読めます)
参考リンク:わたしと八犬伝

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