○八犬伝をおいかけて − 八犬伝関連作品紹介ぺえじ○

八犬伝の原典・翻訳・抄訳、論文、研究書、小説、児童書、映画、ドラマ、舞台、アニメ、漫画、ゲームetc
はては八犬伝をモチーフにした小説や漫画や音楽や何やらとにかくごちゃまぜな二次作品を紹介するコンテンツです。
憧れの伏姫屋敷さんに倣って開設しました! 伏姫屋敷さんでカバー出来ないものも紹介していけたらと思います。
この扉ページは【原作・翻訳・抄訳】カテゴリです。

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○かてごり○
【原作・翻訳・抄訳】【論文・研究書】【データ本】【小説】【児童書】【マンガ】【映像化】【舞台】【画集】【音楽】
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【その他・ちょっと八犬伝ぽい or 八犬伝ネタあり!作品】

○ 更新りれき * 過去のりれきはこちら
15/10/20 【二次作品・マンガ】よしむらなつき「里見☆八犬伝REBOOT」追加しました。
     【舞台】藤間勘十郎文芸シリーズ其の弐 曲亭馬琴「南総里見八犬伝」追加しました。
15/10/16 【二次作品・マンガ】魔木子「妖八犬伝」追加しました。


【原作・翻訳・抄訳】


曲亭馬琴作・小池藤五郎校訂「南総里見八犬伝」全十巻(岩波文庫 1990年)
・八犬伝といえばコレ。原典のスタンダード版!
・しかし2013年1月現在あえなく絶版の運命に落とされていて基本的に古本か、今書店にある在庫でしか入手することが出来ない。ぐぬぬ! 私は最終巻をアマゾンのマーケットプレイスで入手することになったのだ。変なもん(失礼)復刊するくらいならこの日本古典文学(一応)最長作品を復刊しやがりなさいぐぬぬ、と思っている。
・ところで金沢うつのみや本店には何故か五巻が二冊も在庫があった。親兵衛推し?(2013年1月の話)
・うつのみやの八犬伝完売してました…!(2013年9月の話)
・図書館にはハードカバー版文庫版、共に所蔵されてる場合が多い、というか多分ほとんどだと思われるので、書店の在庫が見当たらないようであれば図書館のを借りて読むことをお薦めする。私も大学の図書館のぼろ〜い文庫で三巻・四巻辺りを読んでたナアー

 
曲亭馬琴作・浜田啓介校訂「新潮日本古典集成別巻 南総里見八犬伝」全十二巻(新潮社 2003-2004)
・文字が大きく行間も手ごろ、挿絵もちゃんとあって大きさがあるだけ岩波文庫よりいい。何より写真にもあるように、箱から出した本の表紙が当時の再現みたいでかわゆい(*´∀`*) と言っても私は全部見た・読んだわけでなく、大学の研究室にあったのを借りて読んだりしていたのですが。
・これも図書館によく所蔵されてるよう。時間があって持ち運べなくてもいい、と言う方はこっちをお薦めしたいです。私の近所の図書館にも公開書架にあった。今度見てこよう♪
・日本の古本屋さんでは全巻21,000円くらいが相場のよう。でかい本棚があったら欲しいですワァ

 
曲亭馬琴・著 白井喬二・訳 「現代語訳 南総里見八犬伝」(上・下)(河出文庫 2003)
・八犬伝でAmazon検索するとこれも上位に来るので多分メジャーな翻訳本。最近手に入れたのでまだ読んでないけど厚さに驚いた。プチ京極夏彦。もとはハードカバーで出たものの文庫化です。
・まず原典の流れを把握したいと言う人にお薦めだが、あのエピソードがない!あの台詞がない!あのシーンがない!等、個人的には結構不満たらたらだったのでこれに満足せず是非他の抄訳も読んでほしいし、出来れば原典を読んでほしいところ。
・上巻では岩波四巻のはじめくらいまで、下巻の真ん中まで鈴ヶ森戦やってて親兵衛出てこない…こりゃあ後半省略の嵐だなあと思ってたら案の定で二回を一回にまとめたり、管領戦なんか総まとめだった。一回一回逐語訳とは言わないでもちゃんと訳してくれてるものだと思ったのに。ペース配分が惜しいところですね。上下じゃなくて(勿論この厚さで)上中下で出せばよかったものを…ってもともとハードカバーだったしそこから文句つけなくちゃいけんのだが。
参考リンク:管理人のブクログレビュー 上巻 下巻(新ウィンドウ開きます)


滝沢馬琴・著 丸屋おけ八・訳 「全訳 南総里見八犬傳」(改訂版・上下冊ボックス入り)(言海書房・2007)
・2003年に発売されたものが復刊した際に買った! その時のブログの記事ありますわ。いやあ大きな買い物だった。懐かしい。
・立派な箱入り、A5サイズ、本文二段組でびっしり。でも挿絵はない。各回ごとに訳してるわけじゃないし、その辺り欠点だと思う。
・当初はこれで読破を試みたようだけど何せでかいから諦めた。一応このぺえじの参考文献として挙げているがあんまり実用的でないので、わかんないところだけちょいちょい参照してる感じです。
・丸屋氏は馬琴さまが好きなのか、椿説弓張月も訳して出版してた(2012年12月に)


瀧沢馬琴・作 羽深律・訳 門坂流・画 完訳・現代語版「南総里見八犬傳」(JICC出版局・1985〜1992・未完)
・丸屋おけ八氏の↑の書が出版されるまでは唯一と言ってもいい完訳本だったが、惜しくも中絶している。このぺえじの主な典拠の一冊であり、(意訳でない)現代語訳を引用するときなどはなるべくここから取ってる。衒学的な要素や巻頭の漢文もほぼ完璧に訳されており八犬伝の原書に最も近い書とも言えると思う。
・絵師の方が5巻で変わられたのだが、1巻2巻と3巻4巻は一年ごとに出ているのに絵師が変わった5巻6巻はそれから数年間を置いてようやく出版されている。何か問題でもあったのかもわからない。5巻と6巻の表紙は毛野・親兵衛なのだけど、なんかこう、昭和初期の絵柄な感じである。
・絵師、と書いたが妖しげな絵柄なのがとてもいい。のだけど、八犬伝は文外の画・画中の文が肝、挿絵も重要なのに1・2・3・4巻ではその挿絵は全くなくなっているので丸屋版と同じくその点がペケと言えよう。ただし5巻6巻はそのまま収録されている。


曲亭馬琴 石川博・編 「ビギナーズクラシックス 南総里見八犬伝」(角川文庫・2007)
・日本の古典文学を訳文&その部分の原文合わせて掲載し解説がつくビギナーズクラシックシリーズの一冊。高校生の頃からここのシリーズの「徒然草」や「枕草子」や「源氏物語」を愛読してた私なので、念願の八犬伝が出て当時は嬉しかったなあ。しかしながら全部読んだかちょっと記憶は定かでないのだった。
・でも八犬伝が先で伊勢物語が後っていうのは、ちょっとそれどうなの! 最初のラインナップに入ってないのもおかしい!(八犬伝関係ないグチ)
・要所要所おさえるところおさえてて実にいい抄訳。そしてビギナーズクラシックスのいいところは原文も収録しているところと、作品理解をより深めるコラムがあるところ。これらがあるので安西訳と一緒にお薦めしたい一冊だなと思います。巻末には人物小辞典と地図もあるし、八犬伝プチガイドブックとしても持っててもいいかも。何より表紙がオレンジ色基調なとこがいいね(そこなの)
・編者の石川氏は近世文学専門にして高校の先生なさってるらしい。どうしてこれを書くことになったのか、角川側が依頼したのかしら。


湯浅佳子・著 「南総里見八犬伝名場面集」(三弥井書店・2007)
・名場面集とあるが、よくあるダイジェスト本のような簡単なあらすじなどではなく、それに至るまでのおおまかなあらすじ+その名場面の原文+現代語訳、と言う形を淡々と繰り返す。訳はほとんど逐語訳であり、なおかつ八犬伝を変に崩す事も端折ることも無く、ほぼ全編に渡って収録しているお薦めの一冊。ちょうどビギナーズクラシックスの上位版と言う感じ。
・最初の解説が結構面白かったのでコラムや後書きなども付けてほしかったけれど一切なく、ある意味では八犬伝が濃縮された一冊とも言えよう。私も久しぶりに八犬伝を手早く、かつ詳しく、ざっと見渡すことが出来て有難かったし、新しい発見などもちらほらあった。でも浜路くどきを収録しなかったのは許さぬ!(ブーメランしたい
・惜しいのは誤植がちょいちょいあることと、余白が狭く、ページ全体に文字がぎっしりなので正直結構読みづらい。この点さえ直してくれればもろ手を挙げてお薦めするのに。いや、どっちにしろお薦めするのですが。
参考リンク:管理人のブクログレビュー(新ウィンドウ開きます)


安西篤子・著 「安西篤子の南総里見八犬伝 わたしの古典・21」(集英社・1986)
・わたしの古典シリーズとして女性作家が古典名作を訳した内の一冊。
・大胆に各シーン各パートを玉梓、伏姫、浜路など女性キャラクターで章立てし(雛衣はないけど!泣)ほとんど無用な改変を行わず、女性らしいたおやかな筆致で描く、優れた抄訳本。白竜亭のおぱく氏も八犬伝読書の最初に薦めている一冊。私もおぱく氏に倣って初めての方にはこちらをお薦めします。ただあまりにも忠実なのであらすじを読んでいく感じでちょぉっとつまんないかも。
・ほんの少しある冒頭の玉梓のシーンだけがちょっとオリジナルっぽいかな。玉梓好き的にはとてもいいシーン。
・解説は板坂則子先生。「八犬伝は、徳目をかざして正義がすべてに優先する男達の「理」の世界のほかに、おもに女達によって動かされる「情」の世界をもあわせもっているのです。八犬伝の魅力は彼女達によって支えられているといっても過言ではないでしょう」に感動。私も頑張って書こう。
参考リンク:管理人のブクログレビュー(新ウィンドウ開きます)


平岩弓枝・文 佐多芳郎・画 「南総里見八犬伝」(中公文庫・1995)
・新聞で連載していたよう。挿絵も和風でふつくしい。結構版を重ねてるので(私の持ってるのは2004年6刷)入手もしやすいかも。受験生活中に購入して、受験終わったら読むんだって決めてたなあ。
・結構詳しいけどやっぱり後半ははしょられてあらすじだけ、ダイジェストって感じだけど一応流れはつかめる。途中、「閑話休題」が挟まれて八犬伝についてひろく解説しています。
・平岩女史は弓張月の連載も始められたそうな! また著書「へんこつ」は馬琴さま主人公のお江戸小説だったりするそうな。

  
栗本薫・著 佐伯俊男・挿絵 高木元・注釈 「少年少女古典文学館22 里見八犬伝」(講談社・1993)
・おきあたまきが初めて読んだちゃんとした八犬伝。少年少女向けの古典文学と言うことで口絵ページには当時の浮世絵やスーパー歌舞伎、人形劇新八犬伝の写真などが収録されてる。本編は勿論わかりやすく読みやすく訳してあるうえ、高木氏による文外の注釈が大変親切。解説は高田衛先生で、八大童子についてのことも書いています。最初に出たのは一番左の画像。八房がぬいぐるみである。ファンシー。
・ただし! 古那屋での山林夫妻の凄絶な死までしか詳しく収録されていないのである! その後は「そののちのあらすじ」でひとくくりにまとめられてしまっている。(でもちゃんと犬士達仙人エンドまで書かれてるからわりあい優秀な抄訳かも)そして八犬伝はとにかく長い物語と言うことも知る。当時の私は「エッー八犬伝てそんな長いんや…」と絶句して、そして「ていうかこんな酷い話なん!? 八犬伝て!」と悩みに悩みまくったものである。「わたしと八犬伝」を参照されたし。
・でも私が最初に読んだのがこれで良かったと心から思っている。唐突な終わり故に強く印象に残った、山林夫妻、特に沼藺の死、それから浜路の死。思春期の私には「どうして女の人がこんな風に酷く死んでいかなきゃいけないんだろう」と思われてならなかったし、それが今の八犬伝創作の原動力になっていると言っても過言ではないから。図書室の書棚、いくつかあった八犬伝からこの書を選んだ十七の私に感謝したいと思う。
参考リンク:わたしと八犬伝


八犬伝ぺえじトビラにモドル

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